Chillについて

こんばんは。チルです。

世田谷区の小田急線各駅停車の駅、「祖師ヶ谷大蔵駅」から徒歩5分ほどの場所にバーをオープンしました。

そんなバー「Taco&Bar Chill」のことを少しでも知ってもらいたいと思い、この記事を書いています。

チルの立ち上げまで

2020年8月コロナ禍のさなかに、このタコスアンドバーチルの前身となる「愛と情熱のタコス tacophantom」は産声を上げました。

当時世間もわたしも大混乱で、勤め人の私はほぼ休業状態。せっかくならやりたいと思ってたタコス屋をやってみよう!というただの思い付きからスタートし、間借り先を探して営業を開始。

お客さんなんて来るのかいな?と不安を抱えながら始めたその店は、プレオープンから満席が続き、その後のイベント営業でも毎回満席の好評っぷりで、その中で飲食業の難しさや楽しさを垣間見ることが出来、それからは飲食店開業に対する思いを募らせる日々を送ってきました。

そして、これまた縁あって、今の物件をお借りすることが出来、勢いでタコスバーを開くことになったのです。

とは言え、妻と共働きで小さな子供を抱える身でもあり、そう簡単に「はい!脱サラ!」という訳にもいきません。

何とかバランスをとるため現在の最適解は「基本土曜日のみ営業」という、ほぼ間借り状態のスタイルです。

営業日は本業のスケジュールに左右されるため、直前まで決められないことも多く、現状はインスタグラムのストーリーズやXなどでの週ごとの告知となります。

チルの想い

このチルというタコスバーを始めるにあたって意識した事があります。

・祖師ヶ谷大蔵(およびその周辺の地域)にタコス狂を増やす

・Tequila,Mezcalといったお酒の美味しさを知ってもらう

・健康的にお酒と付き合うという文化を広めたい

・中年でもチャレンジできることを知って貰いたい


それぞれ掘り下げます。

なかなかの長文となりますので、覚悟のうえお進みください。


・祖師ヶ谷大蔵(およびその周辺の地域)にタコス狂を増やす

私の上を行くタコス狂が沢山いる事は重々承知していますが、私自身もまあまあのタコス狂です。タコスってどこの店も個性があって、正解がなくて、各店がウチのタコスが一番って戦っている感じ(あくまで例えですが)が凄く良いんですよ。中二病っぽくって。そんな中二病に、私もそこそこ重症でかかっている自覚はあります。

このタコスの面白さを知ってしまうと、1店舗じゃ満足できなくなります。いろんな店で食べたくなる。んで、また元の店でも食べたくなる。こういうタコスラバーを増やしていきたいと思っています。

・Tequila,Mezcalといったお酒の美味しさを知ってもらう
テキーラって罰ゲームで飲むお酒だと思われてますよね?ダーツで負けたらテキーラ。ワニに嚙まれたらテキーラ。じゃんけんで負けたら(または勝ったら)テキーラ。違います。テキーラって本当はめちゃめちゃ美味しいお酒なんです。
アガベというリュウゼツランの葉っぱを切り落としたピニャという塊を・・・という蒸留のうんちくはお店にお越しいただいた時にお話しするとして、テキーラの魅力は、アガベ由来のほんのり青臭い植物臭と、かすかな甘みにあります。若いテキーラであれば、ソーダなどで割ることでその香りがより引き立ち、さらにライムなどで爽やかな酸味を加える事によって、爽快なロングカクテルへと変貌します。
さらに、熟成を重ねたテキーラはアルコールの刺激の角が取れた感じでまろやかになり、甘みに深みが増していきます。アネホと呼ばれる熟成期間の長いテキーラは、ショットグラスよりもテイスティンググラスなどで、ウイスキーのストレートのように飲むというより舐める飲み方になります。この辺の魅力を知ってしまうと、もうテキーラの虜になるでしょう。

最近は、テキーラの親戚のようなメスカルやライシージャ、ソトルといったお酒も日本で手に入りやすくなってきました。特にメスカルは世界的にもブームが来ています。
メスカルは、テキーラとして承認されるために必要なアガベの種類や産地などの縛りに拘らず作られており、作り手の個性がより濃く出たお酒です。これが大変面白く、すごくスモーキーなものや、乳酸菌発酵の香りや酸味が強いものなど、同じメスカルでも銘柄毎に全く趣が異なります。比較的単価は高く、一杯2,000円を超えるものも多くありますが、Chillでは比較的リーズナブルな、900円~1,200円くらいまでの銘柄を揃える予定でいます。

・健康的にお酒と付き合うという文化を広めたい

私自身お酒が大好きで、若いころから相当量のアルコールを摂取してきました。

現在45歳になるのですが、年々お酒への耐性が弱くなっているのを感じています。以前より少ない量で呂律が回らなくなる、翌朝起きられない、翌々日まで残る、どうやって帰ったか覚えていない、なぜか革靴のつま先がボロボロに擦れているなど、若いころにはなかったお酒での小さな失敗が増えてきました。私の周りでは、笑うに笑えないお酒の失敗をした方も沢山いらっしゃいます。そんな小さな失敗の度に、お酒は控えよう!とお酒を悪者にしてしまうずるい自分がいるのですが、要はお酒との付き合い方を少し変えれば良いのです。

Chillでは、お酒は適量。食事も適量。気持ちよく飲み食いして、気持ちよくお話をして、ちょっと寄って良かったなと思って頂ける夜の時間を提供したいと思っています。タコスとお酒とおつまみにしか値段はついていませんが、私が本当に提供したいのはそういった空間です。

そのため、明らかに飲みすぎと思われるお客様にはお酒のご提供は控えさせていただく場合があります。でも、せっかくもうちょっと飲みたいという気持ちを無下にするわけにもいきません。そんな時には、フルーツビネガーを使ったモクテルや、ハーブティーなどでビタミンCを補いつつ、気持ちをリラックスして頂くという商品をお勧めさせて頂きます。


・中年でもチャレンジできることを知って貰いたい

私はもう45歳です。脱サラや転職というチャレンジをするにはいささかリスクが高めの世代になって来ました。とはいえ、この先定年まで会社1本の人生を送り、定年後に自分のやりたい事をやるという選択をした場合、無事定年を迎えたとして、その時に果たして今の気力、体力、健康があるのか。そもそも無事に定年まで勤める事が出来るのか。そんな事を随分長い間考えていたような気がします。

この年になると良くも悪くも様々な足かせとなる事があり、会社に従順な人生を送る以外の選択肢を排除せざるを得ないというサラリーマン的思考が固まってきます。もちろん、会社に所属し、会社の求める仕事を行い、毎月ある程度決まった金額を頂くという人生は悪くありません。毎月サラリーが保証されていることの安心感は何物にも代えがたい魅力ではあります。

その一方で、処理しきれない仕事量を抱え休日すらろくに取れない状態になっていたり、望まない転勤で家族と離れてしまったりという、会社側の利益優先のために家庭やプライベートを犠牲にせざるを得ないほど生活が仕事に傾いてしまったり、会社に疲れ、体や心を痛める方も多いと聞きます。私もそういった状況になってもおかしくないという危機感を常に持っています。

そんな時に、会社に頼らなくても生きているかも知れない方法を持っておく事は、自身の生活や心のバランスを保つ上で、大変役立つのではないかと思っています。ただし、本業に支障が出ては本末転倒なので、支障が出ない範囲で行える事が前提となります。

私のようにバーを開業するというのは本来そのバランスのうえでは少し副業のウエイトが強すぎるのだと思います。ただ、私の場合は前述した3つの「想い」があり、このライフワークを実現する場と考えれば、だいぶ公私の私寄りとなるため、バランスは取れているという極解でご理解頂けますでしょうか。

いくつになってもチャレンジは出来ますし、いくつまででも言い訳も出来ます。私はこれまでの人生で、自分に言い訳をして動かなかった事が多々あります。むしろ、人生のほとんどを言い訳に費やして来たと言っても過言ではありません。

45歳になる事を意識した途端、自分でもびっくりするほど残り時間を強く意識するようになりました。今までは、リスク回避を強く意識して間借りやイベント出店を選択していましたが、このタイミングでリスクをとってチャレンジをする事にしました。

大げさに言うと、このチャレンジを継続させることは、サラリーマン社会へのアンチテーゼです。チルが継続される事は、何の取柄もない中年でも、会社以外でも生きていける事の証明でもあります。何百万のうだつの上がらない中年サラリーマンの人生が自分の肩に乗っていると思って精進する所存であります。


こんな事を少しだけ考えながらChillはスタートしています。

次回からは、もっとサクっと読める量にしていきますね。







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