タコスについて(トルティーヤ編)


 

タコスとは

こんにちは。チルです。
今日はタコスについて少し豆知識を。

まだまだタコベル的なハードシェル、TEXMEXなタコスの方が認知度は高いのかも知れませんが、オシャレピーポーの間で、ここ数年タコスの人気は劇的に高まっています。
百聞は一見に如かず、食べて貰うのが一番わかりやすいのですが、タコスの魅力を少しだけお伝えしてみようと思います。

タコスのトルティーヤについて

タコスに欠かせないもの。それはトルティーヤ。スパニッシュ的な発音ではトルティージャです。
原材料はコーン(トウモロコシ)とフラワー(小麦粉)があります。
タコスはメキシコの料理ですが、メキシコでも地域や食べ方によってコーン、フラワーがあり、どちらが正しいという事ではありません。
コーンは香りが高い一方、料理を選びます。一方フラワーは具材の邪魔をしない分、コーンのようなハーモニーを生むのは難しいです。そのため、いわゆるフィリングの印象が強いTEXMEXと言われるアメリカナイズされたタコスはフラワー。素朴なフィリングの多い、メキシカンはコーンというパターンが多いです。
保水の問題だと思われますが、冷凍して品質低下しにくいのはフラワーです。そのため、市販の冷凍トルティーヤはフラワーが多く、コーンの場合もフラワーとの混合のパターンもあります。うどんと蕎麦の関係に近いかもしれません。


コーントルティーヤについて

コーンといっても、日本で主に食べられているスイートコーンとは違う種類のトウモロコシになります。デント種やフリント種という、日本国内では主に家畜の飼料として流通する種類のものですが、近年では小麦の連作障害を防ぐため、小麦の収穫後に栽培される事もあるようです。
また、コロナ禍において、輸入穀物に頼り切ることの危うさが露呈しました。
いくら国内で家畜を育てていても、その餌を輸入に頼り切っていると、流通網が停滞する事により飼育が機能しなくなるのです。今後はそのリスクの回避、またはさらに品質の向上のため、国産飼料が見直される可能性があります。その過程で、ちょうど人気の出てきているタコス向けの栽培をされる農家さんも出てくるでしょう。

さて、コーンには一つ問題があります。
小麦粉と違いグルテンが生成されないため、コーンの粉だけでは分子同士が結合せず、パン状にならないのです。ところが、このコーンをアルカリ性のお湯で茹で、一晩置いて洗った後に粉状にするとなぜかくっ付きます。この作業はニュクスタマルやニュシタマリゼーションと呼ばれる作業です。
ここ2年ほどで、国内でもこの作業を経たトルティーヤを作るお店や、トルティーヤの専門店が増えてきました。各々違う動きではあるものの、なぜかこの同時期に呼応するように各地でムーヴメントが起きていることが大変興味深いです。
とは言え、この作業は大変な作業です。日々仕入れるコーンの状態や気温、湿度によって状態が変わります。チルではこの作業から生成されたコーン粉(マサ・ハリナ)を使ってトルティージャを作っています。

トルティージャの外観

チルでは日によってマーブルのトルティーヤや、ブルーのトルティーヤ。ホワイトのトルティーヤを用意しています。ブルーのトルティーヤはブルーコーンというもともと藍色のコーンを使っているため、ブルーグレーのような色合いになります。
コーンの色は一般的には、ブルー、レッド、イエロー、ホワイトがあり、それぞれ風味が少しづつ違います。あまり出回らないですが、ブラックやパープル、ピンクもあるようです。
お店によっては、ホウレンソウやビーツのパウダーなどを使い、色鮮やかなトルティーヤを作るところもあります。子供が喜びそうですね。
トルティーヤの大きさはお店によってそれぞれです。トルティーヤは一枚大体20グラムくらいが主流で、プレンサと呼ばれる専用のプレス機で潰します。大量生産するところでは、機械で伸ばして型抜きをします。こだわりのお店では、手で潰すところもあるようです。
どの方法も一長一短あり、どれが良いという事はありません。
いずれも、厚めに作ると手のひらにすっぽり収まるサイズ。薄目に作る場合で手のひらサイズくらいです。
お店によっては40グラム近く使うところもあり、そうなると結構大振りなトルティーヤになります。40グラムのトルティーヤは具材の乗る量も多くなり、かなりボリューミーになります。
チルは大体20グラムくらいのサイズ。お酒を楽しみながら何枚か食べて頂けるサイズを意識しています。

次回はタコスの具材についてお話したいと思います。
それでは!See you again!

2024年2月の営業日
2月3日(土)17:00~23:00
2月10日(土)17:00~23:00
2月24日(土)17:00~23:00

2月17日は子供と遊びたいのでお休みです。ご注意下さい。



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