タコスについて
タコスの具材
元も子もない事を申し上げますが、これはもう自由です。
王道ではカルニータス(カルニタス、カルニータとも)やコチニータ・ピビルといった豚モノ、ティンガ・デ・ポジョなどの鶏モノ、スアデロ、バルバコアなどの牛モノ、カマロン(エビ)や魚のフリット、ノパル(サボテン)などがありますが、最近日本で出店しているタコス屋さんはもっと多岐にわたるラインナップを揃えているところがほとんどです。
豚
カルニータ:カルニタスとも言われる。豚のバラブロック(や色々な部位)をオレンジやスパイスなどと一緒にラードで煮込んだ料理。タコスといえばこれという人も多いと思います。お店によって本当に味が違うので、私はタコス屋行ったらまずカルニタス頼みます。
コチニータ・ピビル:豚の塊にクミンやアチョーテなどのスパイスをまぶし、バナナの葉で包み、土中で蒸し焼きにするため都会では作るのは難しい。オーブンなどで作るしかないです。
バナナの香りがとても良い感じ。ちょっとランプライスを思い出す。
アル・パストール:串刺しの巨大な塊肉を回転オーブンで焼きながらそぎ落とす。焼いたパイナップルなどでトロピカルな刺激をプラスする。これはシュラスコ感。
鶏
ティンガ・デ・ポジョ(チキンティンガ):鶏肉をトマト、玉ねぎ、にんにくなどと煮込みホロホロにした料理。チポトレという燻製唐辛子などで、香りと旨味と少しだけ辛みを加えたりする。
ポジョ・デ・モーレ:モレというサルサをかけたチキン。ライスと一緒に食べる事の方が多いかも。特筆すべきはモレで、ローストした唐辛子、玉ねぎ、トマト、カカオ、焦がしたトルティーヤ、ナッツ、にんにく、など、本人も何を入れたか多分覚えてないレベルの色々なものを焦がして煮込んでミキサーで攪拌してと、大変手間の込んだサルサ。これを作れるようになったら、メキシコ料理店にもちょっとドヤれるんじゃないかと思います。
牛
スアデロ:牛の胸のあたり。これを煮込んで崩して焼いてトルティーヤに載せる。
バルバッコア:バルバコアとはBBQのことなので、牛じゃなくてもいいんですが、日本ではバルバコアは牛を使うケースが多いようです。豚や羊もあります。
野菜系
ノパル:メキシコと言えばサボテンという事でしょうか。ノパル人気ですね。
大体細切りにしたものを炒めて軽く味付けしたものを乗せます。良くも悪くも癖が無く食べやすいです。
フリホレス:豆。赤や黒のインゲン豆を茹でて潰して少し味をつけたもの。甘さの控えめなあんこを彷彿とさせる優しい味。
アボカド:マッシュしてワカモレにして載せるパターン、フレッシュなアボカドをそのままスライスして載せるパターンあります。
最近ではヴィーガン意識の、野菜のみのタコスを出すお店も沢山あります。敢えて大豆ミートを使ったりと、ヴィーガンの世界はまだまだ広がりそうですね。
この他にもTEXMEX系、沖縄系など、タコスの形態は多岐にわたるので、いつどこで誰と何何をのために食べるかによって選択は変わります。
結局、食の世界も5W1Hを問い続ける必要があります。
タコスの世界的なトレンドも、屋台料理から高級料理まで幅広く様々なジャンルに広がり始めています。元ノーマの副料理長ロシオ・サンチェスさんがタコスのフードトラックを始めたときから、タコス戦国時代の幕が開けたのだと思います。
チルはNYでインスパイアを受けてタコス屋を始めているので、メキシコへの拘りがありません。世界中の美味しいものを知って広めたいと思うし、それがタコスに合うならタコスとして、タコスとしては合わないのなら、アペタイザーとして提供します。
ただ、不思議とタコスにはテキーラやメスカルといったメキシコのお酒が合うのです。
個人的にはビールはIPAなどが好きですが、タコスと一緒に頂く時にはテカテなどライトなビールが欲しくなるのも不思議なところ。
いつどこで誰と何を何のためにプラスして、何と何を食べ、飲むか。この組み合わせも無限大に広がりそうです。
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